これから留学を考えている方がまず最初に悩む事はどの試験を受けるべきかという事でしょう。
日本では留学ではほとんど認められていないTOEICが有名すぎて、その他の英語技能試験の存在がほとんど知られていません。
そのため自分に合った試験の種類をまずは調べる所から始めなくてはなりません。
日本で受けられる留学のための英語技能試験は主に2つあり、それがIELTSとTOEFLです。
今回の記事ではIELTSとTOEFLどちらを受験すれば良いのかを御説明します。
結論
結論を言うと、どちらでも問題ないが答えです。
以前はIELTSは受け付けていない、もしくはTOEFLは受け付けていないという事が少数の大学で見られたようですが、2021年現在私が調べうる限りそのような制限を設けている大学はほとんどありません。
これはおそらくIELTSとTOEFL、そしてその他の試験での点数が相対的にTOEFLだと何点相当なのか、IELTSでは何点相当なのかということが決まってきたからだと思います。
そのため、IELTSを受験したからアメリカの大学には受験できないという事はほぼありませんので、どちらの試験形式の方が自分に合っているかを考えて受験する事をお勧めします。
お勧めとして、以下の点をあげました。
IELTS向けの人
イギリスの大学を受験する人
パソコン操作が苦手な人
スピーキングが苦手な人
試験時間が短い方が嬉しい人
リスニングの時はリスニングだけ、リーディングの時はリーディングだけ分けて受験したい人
TOEFL向けの人
アメリカ以外の大学を受験する予定がない人
パソコンで試験を受験したい人
対人のスピーキング試験が嫌な人
試験時間が長くても拘束時間が短い方が良い人
大学の授業のようにリスニング、リーディング、スピーキングを同時に駆使して問題を解く形式が良い人
ここから上の項目に沿って各試験の特徴をご説明していきます。
受験予定の大学がイギリスか、アメリカか
受験予定大学がイギリスや、イギリス英語主体のオーストラリア、ニュージーランドにある場合はIELTSの受験をお勧めします。
これはIELTSの試験がイギリスで作成されている事に起因します。
IELTSで使用される英語はイギリス英語が主体になっています。
ライティングをアメリカ英語で記載しても減点される事はありませんが、リスニングはアメリカ英語と多少アクセントが異なります。
日本人はアメリカアクセントに慣れている人が多いので、イギリス英語を聞いた時に多少の違和感を覚える事があります。
そのためイギリスに留学予定であれば試験勉強の段階からイギリス英語のアクセントに慣れておいた方が良いでしょう。
逆に、すでにアメリカ以外の大学は受ける予定が全くないという人はTOEFLがお勧めです。
アメリカの教育機関で作成されているTOEFLはアメリカでは完璧に受け入れられていますし、アメリカ英語のみで作成されているので、リスニングの時にアクセントの壁に当たることはないでしょう。
イギリス、アメリカ以外の国を受験予定の場合、どちらの国に近いかで決めても良いかもしれません。
当たり前ですがカナダはアメリカ英語のアクセントで話されているので、アクセントの問題で言えばTOEFLを受験するのが良いでしょう。
ヨーロッパの大学であればイギリス英語の方が良いかもしれませんが、実際はその国のアクセントというものが現れるので、どちらでも支障がない事がほとんどだと思います。
キーボード入力に慣れているか
普段パソコンで仕事をしていたり、普段からパソコンを使って文章作成に慣れている人はTOEFLが向いているでしょう。
パソコンであれば手書きの場合よりも修正も容易にできるので、文章の推敲がIELTSよりも簡単です。
ただ、IELTSも2020年からコンピューターで実施する試験形式を選択できるようになっているようなので、この点は今後あまり気にしなくても良いかもしれません。
逆にパソコンで英語を入力する事に慣れていない、もしくは苦手な方には従前通りのIELTSの受験がお勧めです。
私はオーストラリア人のメール友達がいるので、パソコンで英語の入力を行う習慣があるのですが、始めた当初は日本語との差にとても苦戦しました。
日本語であればスムーズに入力することができるのに、英語になった途端今までやったことのない指運びをしなければならず入力のスピードが一気に下がりました。
5行以上の文章を入力しようとして指がツリそうになった事すらあります。
なので、コンピューター形式で受験する人は英語のキーボード入力にも慣れておいた方が良いでしょう。
外国人に緊張するか
外国人を相手に話をするのは誰でも多少あることでしょう。
ただ、もし外国人に緊張しすぎて言葉が全く出てこなくなるような方はTOEFL受験の方が無難かもしれません。
その理由は、IELTSのスピーキングは個室で外国人の試験官と一対一で話さなければならないためです。
普段外国人と接する機会がない方にとってこれはかなり緊張するシチュエーションでしょう。
緊張のせいで英語が出てこなければ試験の点数が低くなる事は当然の結末ですね。
ただ、対面式の試験にもメリットはあります。
試験管は黙々と受験者の英語を聞いているわけではなく、自然な相槌をうってくれたり、話を促してくれたり、こちらが話している事ににこやかに耳を傾けてくれます。
テーマが悪く、持っている知識がほとんどなくて何も喋れない時にはテーマを変えてくれたりもします。
例えば、私は独身で子供もいなかったので、家族のテーマで子供について聞かれた時にほとんど何も喋れませんでした。
それを察してか、試験管は話題をスポーツに変えてくれてなんとか喋る事ができました。
試験官全員がこのような配慮をしてくれるかは分かりませんが、少なくとも試験管は受験者の英語を引き出す役割も担っているのだと私は感じました。
少しでも多く受験者に喋ってもらおうとする心遣いは確実にあったと思います。
この点を踏まえると、私はIELTSを受験してよかったなと思いました。
逆にTOEFLはマイクに向かって制限時間内に英語の文章を喋るという試験形式のため、試験管に対する緊張はありません。
ただし、リスニングやリーディングと複合問題となっているため、リスニングが聞き取れなかった時に聞き直す事はできません。
IELTSは問題文の意味がわからなかった時はその場で試験官に確認する事が可能なので、その点でも私はお勧めします。
私はスピーキングの試験中に試験官が言ったことがわからず、何度か言い直してもらったことすらあります。
拘束時間が短い方が嬉しいか
IELTSとTOEFLでは試験時間にもかなり差があります。
IELTSはリーディング、ライティングが60分、リスニングが30分、スピーキングが15分程度です。
午前中にリーディング、ライティング、リスニングを終わらせて、午後にスピーキングの試験となります。
トータルの試験時間は2時間45分となっています。
TOEFLはリーディング54分 (ダミーがある場合72分)、リスニング:41分 (ダミーがある場合57分)、スピーキング:17分、ライティング:50分となっています。
トータルの試験時間は2時間40分〜3時間15分となっています。
これだけ見ると2つの試験に時間的な違いはほとんどないように思えますが、IELTSのスピーキングは対人のため、自分の番が回って来るまでかなり待つこともあります。
スピーキングは一度に10人程度しか試験できないため、受験者数が100人いた場合には10グループに分かれて、午後の決まった時間まで試験会場の外で待っていなければなりません。
私は最長で夕方5時まで待っていた事があります。
私の場合は、普段スピーキングの練習ができていなかったため、この待機の時間にカフェに行ってスピーキングの練習をずっとやれたので、むしろこれは良い方向に作用したと考えていますが、休憩を挟まずに一気に全ての試験を終わらせたい人には合っていないかもしれません。
複合問題を受け入れられるか
IELTSの場合、リスニング問題中はリスニングのみ、ライティング問題中はライティングのみの試験構成となっています。
しかし、TOEFLはライティングの試験の問題が、リスニングを聞き、さらにリーディングをしてからその内容をまとめるなどの複合問題が含まれています。
これまで学校で受けてきた英語の試験や、TOEICの試験形式とは大きく異なるので、この試験形式に自信がない方は初めからIELTSを受験した方が無難でしょう。
過去にどちらの試験も受けたことのある私の友人複数に尋ねたところ、IELTSからTOEFLに変えた時はほとんど同等の点数を取れたが、TOEFLからIELTSに変えた場合には少し点数が落ちたという話を聞いた事があります。
これは私の勝手な推測ですが、IELTSはリスニングの試験でスペルまでしっかりと記述させる試験なので、しっかりと英語を聞き取れたり理解できたりしていないと点数につながりにくいのですが、TOEFLの場合は一つ一つの単語が聞き取れなくても大体の概略が掴めていれば点数が取れる形式になっているため、そのような事が起こるのではないかと思います。
IELTSは技能を正確に判断してくれるテストで、TOEFLは授業などの実践で使えるかどうかを判断してくれるテストと言えるかもしれません。
これは個人の好き嫌いの問題など関わってくると思うので、非常に大事なポイントだと思います。
いかがでしたでしょうか。
ポイントをまとめると、
受験校の国
パソコン操作のレベル
対人 or パソコン (スピーキング)
試験時間
複合問題の好み
と5つのポイントをお伝えしました。
なるべくなら自分の好み、適性をしっかりと考えて、なるべく点数を取りやすい方の試験を受けるようにしてください。
皆さんの結果が良いものになるように祈っています。
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