海外の大学や大学院に留学する人はまずIELTSやTOEFLといった英語技能試験を受けなければなりません。
リーディング、リスニングに加えて、ライティングとスピーキングも試験科目にあるため、TOEICよりもより実践的な試験となっています。
そしてTOEICと違い、英語圏の大学、大学院で勉強する事を目的にした試験なので、TOEICよりも大学受験の英語に近いような問題が出てくるので、慣れていない人はTOEICよりも難しく感じる事が多いようです。
特に我々日本人は英語のライティングの勉強をほとんどしてきていないため、IELTSやTOEFLのライティングが一つの関門となっています。
採点基準の中に語彙力も含まれているので、可能な限りアカデミックで難しい単語も使った方が高得点を期待できますが、それらが使えるようになるにはかなりの時間がかかるでしょう。
今回の記事では時間がそれほどかからずにアカデミックな文章に仕上げる方法をお伝えします。
テーマ (Theme) とニュー (New)
みなさんは英語の文がThemeとNewで出来ている事をご存知でしょうか?
Themeとは文の先頭から動詞までの部分の事で、Newは文の動詞から後の部分の事です。
例を挙げると、This is a pen の場合、Themeは「This」、Newに当たるのが「a pen」の部分です。
日本人が英語を習う時に、全く教えられないこのThemeとNewは、アカデミックな文章を書く時にとても大事なものとなっています。
それはアカデミックの文章では、大事な情報をなるべくThemeに入れるとという法則があるからです。
日本人が英語を書く時に主語に大事な情報を全て詰め込むように意識している人はほとんどいないと思います。
例えば、この法則に従えばどのような時に受動態を使うべきかもわかってきます。
例として以下の文章を見てみましょう。
① It is said that language translation has been more refined as computers are improved.
② as computers are improved, language translation has been refined.
①の文章は私がIELTSの勉強を始めた頃にライティングの試験で書いた文です。多少の文法的な間違いは大目にみてください。
②の文章は、Themeの部分に重要な情報が来るように①の文の語順を変えただけです。
IELTSの勉強を始めたばかりの頃の私は、「It is said that ~」のような語数の多い表現を頻繁に使用していました。
少し回りくどいような表現で、語数が多くなっているのがフォーマルであると思っていたからです。
日本語でも、「〜と言われている」と書いた方がなんだかフォーマルな文章を書いている気になりますよね。
しかし、英語の文章をアカデミックな場で書く上では、②の文章の方が好まれる傾向にあります。
それは、②の文章のThemeにトピックが含まれているからです。
この文章を書いた時のライティングの問題は、「自動翻訳機能が発達していく中で外国語を学ぶ意味はあるか」というものでした。
そのため、②の文章で書き始めれば、読んでいる人は言語翻訳やコンピューターの話が展開されると一眼でわかり、読み手がスムーズに文章を理解できるようになっています。
主語に一人称や二人称を用いない
Themeの重要性を理解した上で、次に大事になるのが主語の選択です。
日本の学校で英作文を習う時にはほとんど習うことがありませんが、アカデミックな英語を書くときに主語に一人称や二人称を使う事は避けた方が良いです。
一人称とは「私」を示す「I」の事で、二人称とは「あなた」を意味する「You」の事です。
他にも「We」もアカデミックな文章を書く際には、多用するのは避けた方が良いです。
ではどのように主語を変えたら良いのでしょうか?
下に例を出してみます。
① I do not think language translation is perfect.
② Language translation is not thought perfect.
上の二つの文章を比較すると、①の文章よりも②の文章の方がよりアカデミックな表現として適していると言えます。
しかしこれもただ語順を変えて受動態にしただけです。
一人称や二人称を避ける方法として「受動態にして主語を変える」という方法はよく用いられますが、他にも主語を「Some people (researchers) say that ~」にしたり、「There are some articles saying that ~」のように主語を自分ではなく他の人に変えたり、論文などの「物」に言い換える方法がよく用いられています。
まずはこの二つのルールを守って文章を書くことで、IELTSやTOEFLのライティング問題の点数が少しずつ改善されてくると思います。
次回も英語でアカデミックな文章を書くための方法について記事を書きたいと思います。
コメント