TOEICは日本を没落させるのか?

スピーキング

こんにちは総合医です。

アベマプライムでまたまた英語学習者にとって気になる放送がありました。

それはTOEIC不要論。

動画の内容はというと、TOEICが存在している事で日本人の英語力が二流以下にとどまっているのでTOEICは廃止すべきだという意見に対して、賛成派と反対派で意見をかわすというものになっています。

脳科学者であり、TED talkで日本人として初めて講演した内の一人である、茂木健一郎氏がTOEIC不要説を唱えた本人としてゲスト出演し、TOEICが日本人の英語力向上を阻害しているという主張をしています。

その主張に対してTOEIC満点96回の実績を持つ英語講師のもりてつさんが、TOEIC必要派として反論しているという内容です。

TOEIC不要派

TOEIC不要派の茂木さんの意見をまとめると以下のようになっています。

  • TOEICの英語は地獄のようにつまらなく、アカデミックな要素や知的な読解を要するものでない
  • TOECIは世界160カ国で実施されていると言われているが、受験している人のほとんどは日本人
  • TOEICは日本のある組織が金儲けのために行なっているテスト
  • 日本の教育システムのせいで、日本人は1点刻みで点数を出すテストが好きすぎる。語学の本質はそんなところにない。
  • そもそも世界的にペーパーテストは廃止される流れなので、日本の教育システムを見直さなければならない。

TOEIC必要派

それに対して英語講師のもりてつさんは以下のように反論されています。

  • TOEICは教養を見る試験でなく、英語圏で生活できるかどうかを測る試験
  • 多くの人の技能を一度に測るためには、やはりテスト形式でないと難しい
  • TOEICをきっかけとして英語に興味を持つ人もいる
  • TOEIC自体を楽しんで受験しているトイッカーと呼ばれる人達も存在している
  • TOEICを通過点としてそこからさらに英語力を伸ばしていけばよい

これらのもりてつさんの反論に対して、茂木さんは『TOEICを楽しんで受験しているトイッカーなんて変』、『試験をきっかけに英語を好きになるなんてことはない』と反論をしています。

上記のそれぞれの主張に対して皆さんはどのように考えますか?

結局TOEICは必要か?

私個人の考えを述べると、茂木さんの意見にはある程度賛同できる部分があると感じています。

私自身ある程度の英語力を身につけて思うのは、TOEICを受験しているだけでは英語を自在に操れるようにはならないという事です。

やはり英語は言語なので、実際に使えるようになって初めて学習した意味があるのだと思います。

つまり、英語で文章を読んだり、人と英語で会話をしたり、英語でメールなどの文章を書けたりといった事が英語学習のゴールなのだと思います。

もちろん書いたり、話したりができなくても、英語をある程度読む事ができている時点で、英語を勉強した価値は十分にあると思いますが、やはり多くの日本人が憧れているのは会話もできるようになる事なのではないでしょうか。

しかし、だからといってTOEICが廃止されてしまうと、我々に残される英語技能試験の選択肢は英検、TOEFL、IELTSなどの難易度の高い試験しか無くなってしまいます。

英検は級によって難易度が変わってくるので大丈夫かもしれませんが、TOEFLやIELTSは受験者のレベルによって問題の難易度が変わる事がないので、英語初心者が受験するにはハードルがかなり高いように感じます。

私自身もIELTSを受験する前にTOEICを受験する事で英語の勉強をし、ある程度点数が取れるようになってから初めてIELTSを受験した経緯があるのでわかるのですが、TOEICである程度英語力をつけていないとIELTSの試験は難しすぎると思います。

初めからIELTSに挑戦していたら心が折れていたのではないかと思ってしまいます。

仮に、TOEFLやIELTSの難易度を100とした時、TOEICの難易度は50以下になるのではないかと個人的には思います。

リスニングとリーディングはそれなりにできるかもしれませんが、スピーキングとライティングが難しすぎるでしょう。

そのため、TOEICが無くなってしまったら英語学習を続けられる人が大幅に減少し、結局日本人全体でみると英語力が二流どころか三流以下に下がってしまうのではないかと思うのです。

茂木さんは、『TOEICを勉強していても英語学習のゴールには辿り着けない』、『そもそも方向が全く違っている』と動画内で述べていますが、これはTOEICが実際の英語社会で使用されている英語と差がある事、ライティングやスピーキングの技能が一般によく受験されているL&Rテストには含まれていない事を根拠にした主張だと思います。

確かにその主張は正しくはありますが、TOTEICで出てくる英語にはビジネスメールのような内容も含まれているので、英語圏で実際に使用されている英語と全く異なっているとは言えないはずですし、リスニングやリーディングがある程度できるようになる事で初めて留学や外資系企業への転職を考える人が出てくると思うので、TOEICが全く別の方向を向いているとは私は思いません。(実際私もTOEICを通過点にIELTSを受験するようになりました)。

これは完全に私個人の意見ではありますが、TOEICが日本人の英語力向上を邪魔しているのではなく、TOEICから次のステップに行く方向性があまり示されていない事で、日本人の英語力がTOEIC止まりになっているというのが正しいのではないかと思います。

TOEICで高得点を取る事を最終目標としてしまうと確かに日本人の英語力は二流のまま止まってしまうでしょうが、TOEICで600点以上取れる人には次にTOEFLやIELTSを受験することでさらに社会的な評価が上がるような状態にすれば、日本人の英語力をTOEIC止まりにせず、さらに上のレベルにまで上げることができるのではないかと思います。

そのために日本の多くの企業がTOEFLやIELTSでの試験点数を、TOEICの点数よりも高く評価するようになれば、TOEICである程度高得点を取れる人達が次のステップとしてさらに難しい試験に挑戦していく土台ができるのではないでしょうか。

これも私個人の意見ですが、日本人が英語をいつまでも使えるようにならないそもそもの原因は、TOEICにあるのではなく、日本に住んでいると英語が必要な場面が全くない事だと思っています。

ヨーロッパに住んでいる人達のほとんどが英語を話せる理由というのは、ヨーロッパ圏内で国境をほぼ自由に移動でき、他の言語しか話せない人が社会に普通に存在している事で、英語が共通語として普通に使用されているからではないでしょうか。

日本も移民が多くなれば将来的にもっと英語を使う場面が増えてくるかもしれませんが、それは何年も先の話ですぐに変わることはなかなか難しいでしょう。

それならば、まずは多くの人が経験する就職の時に、TOEICより難しい英語技能試験が評価の基準として一般的に利用されるようになる事が、日本人の英語力を今後伸ばしていくのに役立つのではないかと思います。

皆さんも転職活動の時に外資系の企業や英語公用語を掲げている企業を選択肢に入れる事ができるように、TOEICである程度高得点が取れるようになったら、次に英検、TOEFL、IELTSなどを受験する事をお勧めします。

これまでTOEICしか受験していなかった人にとってはかなりハードルが高く感じるでしょうが、まずは問題集からライティングの練習をしてみたり、オンライン英会話でTOEFL、IELTSコースを受けてみたりしてみてください。

IELTSであれば過去問とそのサンプルの答えが載ったものが販売されているので、ライティングの勉強の強い味方になってくれるでしょう。

この過去問では、過去に本当に受験した受験生が書いた文章を、本物の採点官が採点し、注意点をメモとして書いてあるものも含んでいるので、他の受験生がどのような英語を書いているのかを知る事もできてとても役に立ちます。

そしてオンライン英会話では、TOEFLやIELTSのための教材を用意しているCamblyがお勧めです。

私もIELTS受験の前にCamblyを頻繁に使ってスピーキングの指導を繰り返し受けていました。

いかがだったでしょうか?

皆さんは茂木さんのTOEIC不要論を聞いてどのように思いましたか?

皆さんの英語力が茂木さんの言う二流以下にとどまらないようになる事を願っています。

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