こんにちは総合医です。
今回も最近読んだ本の紹介をしたいと思います。
今回紹介するのはこちらの「David and Goliath」です。
David and Goliath: Underdogs, Misfits, and the Art of Battling Giants (English Edition)
こちらの本は残念ながら日本語訳版が見つかりませんでした。
この本は2013年にアメリカで出版され、ニューヨークタイムズ紙のベストセラー本として紹介された本です。
作者のマルコム・グラッドウェルさんはカナダでジャーナリストをしている方で、自身の取材内容や、集めた情報から、『一見強者に見えるような相手にでもやり方によっては弱者が勝つ事がある』という事例を具体例をあげながら紹介している本になります。
本の中で最初に取り上げられている例が、キリスト教の旧約聖書に載っているダビデとゴライアスの戦いです。
この戦いはキリストが生まれるずっと以前に現在のイスラエルで起こった戦いを描いたもので、ここで出てくるダビデがキリストの祖先に当たる人物となっています。
ゴライアス率いる屈強な軍勢が現在のイスラエルを攻めた時に、装備や軍隊の屈強さからイスラエル側の勝ちはほぼないだろうとイスラエル側が諦めていた時、自身の強さに絶対の自信を持っていたゴライアスが、自分に一騎打ちで勝つ事ができたらイスラエルへの侵攻は中止してやろうという提案をします。
イスラエル側の兵士たちはゴライアスの屈強な体躯と堅牢な装備を見て、誰も名乗り出ることができませんでしたが、唯一徴兵によってその場にいた羊飼いのダビデが一騎打ちに応じます。
ゴライアスは、貧弱で甲冑も着ていない少年が出てきたので勝利を確信していたのですが、ダビデは一撃で相手のゴライアスを倒してしまいます。
イスラエルはこの万に一つも起こりえないと思われたこの大勝利により、他国からの侵略を防ぐ事に成功しました。
旧約聖書ではこの大勝利が起こった理由として、当時誰も使用していなかった、三角巾を用いた投石という戦闘手段をダビデが用いた事で、彼が自分より何倍も屈強なゴライアスに勝利することができ、工夫次第では屈強な相手が相手でも十分に勝つ可能性があるという事を解いています。
しかし、著者のグラッドウェルは勝利の要因はそれだけではなかったと付け加えています。
ゴライアス側には、装備を整えすぎた事で甲冑が重くなり、自身の動きを制限するデメリットが生じ、さらに立派な装備や自身の強さに対する自信から慢心が起こっていた事、そしてそれらに加え、ゴライアスの屈強な身体が脳腫瘍によって起こる巨人症という病気で大きかっただけで、病気のせいでまともに戦える状態ではなかった可能性などをあげ、複合的な要素が重なってダビデの勝利がもたらされたのではないかと考察しています。
一見全く勝ち目のない相手だったとしても、実は過剰な装備などで強そうに見える相手ほど実際には勝てる見込みが高くなるという事がうまく示されています。
この事から、物事には逆U字カーブが成り立つ事象が多くある事を著者は紹介しています。
これは、あまりに恵まれ過ぎてしまうと(X軸)、逆に成果が下がってしまう(Y軸)という事を端的に表した図として紹介されていて、本書ではこの逆U字カーブが成り立つ場面をいくつか紹介されています。
皆さんは強敵と対戦しなければならない時どうしますか?
最初から敵わないと思った相手には挑戦しませんか?
本書ではバスケットボールの経験が一切ないのに、娘の中学校のバスケットボールのチームのコーチに就任した男を一つの例としてあげています。
彼が素人集団だった娘のチームを勝たせ、全国レベルのチームに成長させたのかが記されています。
我々の普段の生活にも活かせるようなヒントが多く散りばめられた本書は、人生を生きていく上での良いガイドブックとなるでしょう。
全国レベルのチームに勝ったその方法が気になった方はぜひ本書を手に取ってみてください。
今回も私がわからなかった単語、英語表現を表にしてありますので、単語力に自身のない方は活用してみてください。
本書内で使われている英語表現自体はそれほど難しいことはありませんが、この単語帳を活用しながら本書を読めば、比較的スムーズにストレスなく読み進める事ができるでしょう。
ぜひご活用ください。
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