前回勉強を長時間続ける方法をご紹介したので、今回はいかに効率良く勉強を行うかについてお話ししたいと思います。
皆さんも人に負けないと自信を持って言えるほど努力したのに、なぜか負けてしまったり、成果が出なかったりしたことはないですか?
私も医学部入学前に2年間浪人したり、大学に入ってからも成績が悪かったりした経験があり、自分の学力が全て悪いのだと思っていました。
しかし、学力や元々の頭の良さ以外にも成果が出るかどうかを決定づける物は存在します。それが“効率”です。
それがわかっていれば苦労しないよと思っている方もいるかもしれませんが、今からでも自分が効率良く勉強できているかを確認してみませんか?
効率良く勉強や努力ができるようになれば必ず成果がついてくるので、努力するのがきっと楽しくなってくると思いますよ。
必要とされているものから手をつける
やる気のある人によくある事ですが、試験範囲を全て網羅しようとしたり、教科書や問題集の最初から最後まで全てやろうとしてしまいます。
私自身も学生時代、浪人をし始めた時、仕事を初めて最初の1、2年はやる気があったので、教えられた知識は全て吸収し、教科書やテキスト、問題集を全て網羅する勢いで勉強していました。
しかし、後にこの考え方成果をあげるのを邪魔している事に気がつきました。
80/20ルールというのを御存知でしょうか?
簡単に説明すると、『80%の成果を上げるのは20%の労力で可能』という世の中の事象でよく見られる法則です。
勉強で例えると、テストで100点をとるのに10時間の勉強が必要としましょう。
1時間勉強すれば10点取れる計算になりますが、現実世界で行くとこの関係は比例しません。
実際は最初の2時間 (20%) の勉強で試験で80点を取れるだけの成果が身につき、残りの20点をとるために細かいところまで勉強し始めてさらに8時間が必要になるといった具合です。
この80/20ルールは現実世界の多くの領域で当てはまるので、どんなことでも20の労力で80の成果を得ることを考えてください。
数学の勉強を例にこの80/20ルールを当てはめてみます。
通常問題集や教科書は基礎問題、応用問題、発展問題と続いていきますよね。
多くの人の場合、基礎⇨応用⇨発展と進み、全ての問題を時終わってから次の章に移動するという方法をとってしまいます。
しかし、基礎問題から時始めるような人が応用、発展と進んでも簡単に解けるはずはなく、解答と睨めっこして何時間も費やしてしまうという事をよくやってしまいます。
もちろん最終的に発展問題も解けるにこしたことはありませんが、本当に発展問題まで完璧にできるようになる必要はあるのでしょうか?
ここで80/20ルールを思い出してください。
試験で80点を取ろうと思ったら、まず全ての分野・章で基礎問題が解けるようになることを優先し、その後に応用問題、発展問題と進むべきです。
同じ問題にずっと躓いているよりも、簡単な問題からどんどん解いていく方がやる気は保たれやすいですし、満遍なく点数が取れる可能性が高いです。
1周してから戻ってきた時に忘れていても構いません。
一度忘れていた事を思い出した時に記憶は強化されるという特性を持っているので、むしろ何度も周回数を増やして記憶を定着させた方が良いと私は思います。
そして応用問題、発展問題に取り掛かる順番ですが、過去問が手に入る場合にはその過去問に出ていた分野から取り掛かりましょう。
せっかく発展問題ができるようになっても試験に出ないのであれば点数にはつながりません。
もし仮に過去問とは傾向が変わってしまっていても、発展問題ほど難しい問題は解ける人は少ないので、他の多くの学生とは差はあまりつきません。ついたとしても本当に頭の良い一部のトップ集団とつくだけです。
逆に基礎問題を間違えてしまうと、多くの人が解ける問題で点数を落とすので、周りとの差がついてしまいやすくなります。
トップ集団に追いつくには全ての分野の発展問題まで取り組む必要がありますが、それでも点数に繋がりやすいのは過去問の傾向に沿って応用、発展問題を解いて行くことです。
資格の勉強などにおいても同様の事が言えます。
基礎問題を全ての分野で満遍なくできるようになってから、試験に出やすい分野を優先して勉強するのです。
試験に出やすい分野を過去問や先輩、先生に聞くだけで勉強の効率は大きく向上します。
勉強をする時は20%の労力で80%の成果を得る事を目標にして、残りの80%の労力を後回しにする判断が効果的です。
色々と試す
私も浪人中に模試で結果が出ない事や本番の試験で結果が出なかった事が何度もあります。
しかし色々な人のアドバイスを受けたり、自分で試行錯誤をしてみてなんとか結果を出す事ができました。
そして後から考えてみると、私より成績がよかったのに、受験に失敗して医学部受験を諦めた人達にはある共通点がある事に気がつきました。
それは自分の好きな物を重点的に勉強していた事です。
私立大学のような少ない科目を勉強しなければならない場合には少し違うかもしれませんが、国公立大学を受験する時には広い範囲を勉強する必要がありました。
そうなると当然苦手な科目や、苦手な領域が出てくるものですが、受験に失敗していた人達の共通点として、自分の好きな科目を長く、自分の嫌いな科目は短く勉強していました。
科目だけではなく、領域などでもその傾向は見て取れました。
例えば生物を専門家並に勉強する割に物理を蔑ろにしていたり、古文ばかり時間をかけて勉強して漢文の勉強をしていなかったり、自分で良いと思っている問題集に固執して勧められた問題集を試そうとしなかったりです。
そしてこういう人は決まって「自分にはこれが合っているから」「自分はこれじゃなきゃ頭に入らない」という言い訳をして自分のやりたい事をやりたいようにしか勉強しないのです。
これは受験勉強に限らず、仕事などにも当てはまる事だと思います。
成果が出ていないにも関わらず、自分にはこの方法が一番合っていると思い込んで融通が効かなくなっている人は失敗する可能性が高いと思います。
自分に合った勉強方法をすでに持っていると思っていたとしても、他の人がやっている方法も試してみて、良ければ取り入れる、ダメならば元の方法に戻るという融通があるとどんどん効率が良くなり、最終的に成果を得る事ができるようになります。
特に自分よりも優秀で要領が良いと思う人に勉強方法を聞いて、それを真似してみると自分が思っていたよりも効率が上がることがあります。
要領の良い人はただ賢いというわけではなく、効率の良い方法を知っているという事もよくあります。
なので、何事もまずは試してみるという事を実践してみる事が大事だと私はその時学びました。
効果が出なければ原因を考える
それでも成果が出なかった場合に次に何を考えるべきでしょうか。
それは自分が今取り入れている方法が、実は自分に合っていない可能性があると考えてください。
勉強であれば試験の結果でどこを間違えているのかを冷静に分析し、自分の今取り入れている方法でその苦手分野がしっかりとカバーされているのかを考えてみてください。
私は過去問だけ勉強して試験に臨んだ事がありますが大失敗しました。
やはり入試レベルの試験を、過去問だけ解いて臨むというのは無謀な事で、過去問で自分の弱点がわかったらそこから派生させて周辺知識を固める作業が必要だったと後悔しています。
過去問のような実践練習はもちろん必要な事ですが、そこから枝葉を伸ばして基本事項を体系的に学んでいく事も非常に重要です。
このような試行錯誤を続けていく事で次第に勉強や努力の効率が上がってくると思います。
次回は記憶力を良くする方法についてお話ししたいと思います。
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