2021年3月からオーストラリアの大学院に入学し、日本にいながらZoomで3ヶ月授業を受けてきました。
まだ3ヶ月しか経過してはいませんが、自分なりにメリット、デメリットが少しずつわかってきたのでお伝えします。
メリット
留学のためにキャリアを中断する必要がない
海外大学の学部に直接入学したり、大学在学中に留学を行う場合には困ることはありませんが、社会人になってから大学院に留学する場合に最も気になるポイントは、自分のキャリアが中断してしまうことではないでしょうか。
国内の社会人大学院であれば自分のキャリアを中断することなく、仕事が終わった後や、休みの日を利用して大学院の授業を受けることは可能です。
それに比べて海外の大学院に留学する場合には日本国内にいられないので、社会人を続けたまま勉強して卒業するのはなかなか難しいことです。
しかし、現在コロナ禍であることもあり、ほとんどの大学では授業をZoomで行い、しかもその授業を全て録画してくれているので、社会人として働きながら、会いた時間に録画の授業を視聴する形で勉強する事が可能です。
履修するコースにもよるかもしれませんが、私が在籍しているシドニー大学ではオンラインコースがあり、数年かけて大学院を卒業するというコースも設けられています。
私は公衆衛生学修士課程に在学していますが、同級生の多くは国外から授業を受けており、その中には働きながら卒業を目指しているというクラスメイトも何人かいます。
私は大学院に合格した後にコロナ禍となってしまったため現在休職していますが、やりようによっては働きながら勉強する事も十分可能だったなと感じています。
社会人の方にとって自分のキャリアを中断せずに、大学院卒業の資格を得られるのはかなり大きなメリットでしょう。
海外への引っ越しの手間がない、生活費が追加でかからない
語学留学の場合は、現地に住んで語学学校に通うのが一般的だと思います。
その際には、現地での生活費に加えて、引っ越し費用、現地の寮の費用、留学コーディネーターに支払う料金となかなかお金がかかります。
Zoom留学の場合は面倒な引越しや寮の手配、ビザの取得などは不要で、日本で現在かかっている生活費の他には大学院の授業料だけ支払えば良いので経済的負担が比較的少なく済みます。
しかも働きながらZoom留学する場合には、お給料をもらい続けることが可能なので、お金が減っていくストレスを感じずに英語の勉強もできて経済的にはかなり大きなメリットだと思います。
デメリット
直接現地に住むよりも英語の習得に時間がかかる
これは当たり前の事ですが、日本で生活しながら授業だけ英語で受けるので、英語にどっぷりと浸かっているわけではなく、英語の習得速度が遅くなると思われます。
多くの留学経験者の方達の経験談を伺ったところ、みなさん大体3ヶ月程度で英語が少しずつ聞き取れるようになってきて、そこからストレスがかなりすくなったと話しいます。
私はまだ3ヶ月しか経過していませんが、入学時とそれほど大きな変化は感じていません。
多少英語を読む速度が上がっている気もしますが、英語が自然に聞き取れるレベルには程遠いです。
授業は半分程度聞き取れる程度で、寝不足で集中力が低下している時などはもっと聞き取れなくなってしまいます。
授業中は画面に出されているスライドを必死に読みながら何を話しているのか理解するようにつとめていて、ほとんど文字のないシンプルなスライドを好む先生の場合や、クセのある英語の先生の場合にはほとんど理解できないこともあります。
今後どのくらいで自然に英語が聞き取れるようになるのかは、自分の身をもって確認していきたいと思います。
日常会話などの英会話表現を身につけるのは困難
こちらも当然と言ってしまえば当然ですが、英語の環境に完全に入り込んでいるわけではないため、授業中に使わないような単語や表現には疎くなります。
友達と日常会話する機会もないため、英語で世間話をしたりジョークを言ったりする事もありません。
海外旅行の時に利用するようなレストランなどでの英語は元々知っていることもあり問題ないかもしれませんが、引越し業者とのやりとりや、役所での手続きのような実際に現地に住んでみないと使う場面がないような英語には全く触れる事ができません。
生活に即した英語を身につけたいと考えている人にはZoom留学は不利と言わざるを得ません。
友人ができずらく、相談する相手ができない
上でも少し触れましたが、Zoom留学の一番のデメリットは友人ができずらい点だと思います。
通常の学校であれば、同じ教室で一緒に授業を受けた同級生と授業後に少し話したりして友達ができると思いますが、Zoom留学の場合は授業が終わればZoomを切ってすぐに終わってしまうので、同級生とのコミュニケーションがほとんどありません。
授業の他にチュートリアルという少人数での討論をする機会もあるのですが、ほとんどの中国人留学生がカメラをオフにしたままで、しかも話しかけても反応してくれない場合もよくあり、結局ネイティブのオーストラリア人のみの討論で終了してしまうことがほとんどです。
留学生のほとんどが中国からの学生で、Zoomのブレイクアウトルームで少人数に分けられた時には中国語で話していたので、彼らの間ではコミュニケーションを取れているのだとは思いますが、他国の留学生と積極的に交流しようとしてくる学生は少ないように感じました。
私自身は大学院入学前にオーストラリア人の友人を作っていたので、授業で理解できなかった部分などを相談することができ、非常に助かりましたが、やはり直接会って世間話することはできないので、その点はやはりデメリットだと感じました。
以上が3ヶ月Zoom留学してみた結果です。
8月から2学期が始まるので、それまでの間に英語力をもっと鍛えておきたいと思います。
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