オンライン留学を成功させるための戦略

AIサービス

こんにちは、総合医です。

以前私は、社会人として働きながらオンラインで留学をする事をお勧めしないと記事で書きました。

その理由は、海外大学院で出される課題や参考図書が膨大で、英語が苦手な人が働きながら片手間でこなせる量ではないと考えたためです。

しかし、2022年にChatGPTが発表されてから、数々のAIサービスが世に生まれ、英語での学習をサポートしてくれるサービスも多くみられるようになってきました。

ここまでAIが発達すれば、働きながらでもオンライン留学を成功させることができるのではないかと思い、もう一度その可能を考えてみましたので、今回はそのことについてお話ししてみようと思います。

リスニングの補助AI

オンライン留学に限らず、海外大学院に入学できるレベルの人であればある程度の英語力はあるはずです。

具体的にはIELTS:6.5点、またはTOEFL:80点に相当する英語力を要求されることが多く、少なくともリスニングでIELTS:6.0点に相当する点数はとっているはずです。

ただ、IELTSリスニング6.0点で留学した私の実体験をもとにすると、リスニングで6.0点、またはそれに相当する点数をとっていても実際の授業についていくのは不可能です。

おそらくリスニング8.5点の人でも実際のネイティブの先生の授業を100%理解しながら授業を聞く事は難しいはずです。

それくらいネイティブの先生は容赦無く早い英語を話します。

私も慣れるまでは授業動画を低倍速にして何度も聞いたりしてなんとか理解しようと頑張っていました。

社会人で働きながらオンライン留学するならば、英語の学習にそれほど時間を使えないはずなので、なおさら授業についていくのは至難の技でしょう。

そこで役に立つのが、AIを利用した音声の文字起こしサービスです。

文字起こしをしてくれるサービスはいくつか存在しますが、私は個人的に「Otter.ai」というサービスを利用しています。

このサイトはアップロードした動画の文字起こしはもちろん、今まさに目の前で話している音声もリアルタイムで文字起こししてくれます。

もちろん文字起こしされたものは完璧ではありませんが、他の文字起こしサービスよりも質が良いと感じますし、自動翻訳サービスよりもかなり早く正確です。

私はこのサービスを知ってから、チュートリアルで討論をする時などにiPadでこのサイトを起動して、パソコンの横に置いてリアルタイムで文字起こしを行い、文字を目で追いながら討論に参加していました。

リスニングに自信がある人は全ての文字を追う必要はありませんが、聞き取れなかったり、聞き逃した部分を文字ですぐに確認できるのでかなり有用です。

もちろんネイティブのように自然な形で討論に割って入ったりは難しいですが、全く聞き取れない討論に何も理解しない状態で参加し続ける事に比べれかなりマシです。

授業の理解を助けてくれるツールとしてものすごい力を発揮してくれます。

参考図書、テキストの理解を助けるAI

海外大学院の授業では多くの場合参考図書はPDFや画像ファイルとして配布されると思います。

日本語でも読むのが大変な量を配布されるので、分厚い本の章を3、4日で読んで課題を解いてくる宿題なんて出されたらとても時間が足りません。

私も留学当初はテキスト1ページを読むのに日本語の10倍の時間がかかっていたので、参考図書の多さに圧倒され、ほとんどのテキストは読み込めず、拾い読みしたものをなんとか切りはりして答案を作り上げ、ギリギリ小テストや小課題をこなしていました。

社会人留学生であればとても全てのテキストを読み込む時間はないと思うので、ここでAIサービスを利用する必要があります。

PDFを読み込んで内容を説明してくれるサービスはいくつかありますが、私は「ChatPDF」というサービスを利用しています。

PDFの分量が多い場合にはAdobeの有料プランでPDFファイルをいくつかに分け、一つずつChatPDFに読み込んでもらいます。

このサービスはChatGPTの機能をPDFの読み込みに利用したもので、アップロードしたPDFの内容についてチャットで質問すれば要旨を説明してくれたり、要約した内容を説明してくれるので、読まなければいけない英文の量を大幅に削ってくれます。

もし内容がよくわからない場合にはChatPDFに直接質問すれば、アップしたPDFの内容に基づいて説明してくれます。

それでもわからない場合にはChatGPTに質問する事で、平易な言葉で解説をお願いする事も可能です。

文献検索に役立つAIサービス

海外大学院で出される課題は、専門にもよりますが、ほとんどの場合エッセイでしょう。

3000〜4000 wordsで英語の文章を書いて、それを提出させるものです。

ワードで1ページ英語の文章を書くと大体500 wordsくらいと考えると、エッセイとして書かなければならない分量が想像できるかと思います。

日本人はアカデミックな作文をするトレーニングをそれほど積んでいないので、どのようにして書いたらいいのかでかなり困ると思います。

もちろん参考文献として先生方から提示された文献を足がかりにPubmedやその他のGoogle Scholarなどの文献検索ツールを用いればいいのですが、どの文献を選んだらいいのか探してるうちに多くの時間が浪費されます。

そこで時間の浪費を最小限に抑えてくれるのがAIサービスです。

文献検索では他のサービスほど質の良いものは少ないのですが、私はいくつかのサービスを一緒に使う事である程度質を保つようにしています。

ご紹介するサービスは「Perplexity」、「Consensus」、「Connected papers」です。

PerplexityConsensusはそれぞれ似たようなサービスで、質問を打ち込むと、その質問に答えてくれる論文を提示しながら質問に答えてくれるというものです。

根拠となる文献を内容を説明しながら提示してくれるので、自分のエッセイの中で利用できるものがあるかどうか一目でわかります。

Connected papersは自分が参考文献として引用しようと考えている論文をアップすると、その論文と関連のあるものを図で示してくれるサービスです。

線の太さや円の大きさで関連度の強さを示してくれるので、本当にわかりやすくなっています。

Connected papersは以前の記事でも紹介しているので、こちら(関連文献検索に有用なConnected Papersとは?)も参照してみてください。

文書作成に有用なAI

先ほども説明した通り、海外大学院の課題はほとんどがエッセイです。

日本語ですら文章を書き慣れていない日本人に英語で長文のエッセイを書けというのは本当に酷です。

私も最初のエッセイを書く時は本当に苦労しました。

日本語なら数日で終わらせられる量でも、いざ英語で書こうとすると全く筆が進まず、徹夜で書いても何週間もかかってやっと子供が書いたようなエッセイになっていました。

当時はまだLLM(大規模言語モデル)のAIサービスが発表されていなかったので、代わりにGrammarlyというサービスを活用していました。

自分で作成した文章をGrammarlyにかけて文法を直し、それを提出していたんですが、それでも文法の誤りが多い事で大幅に減点されていました。

Grammarlyなんてアテにならないなと当時は思いましたが、今から考えると、おそらく日本語で考えて組み立てた文章を無理やり英語にして、それをGrammarlyで校正にかけたので、英語では珍しい言い回しや、しっくりとこない単語の選択などが起こっていたのではないかと思います。

流石のGrammarlyも、元の文章が悪ければ文法を修正しても不自然な英文になってしまっていたのでしょう。

それでは現在はどうかというと、もちろんOpen AIが発表したChatGPTがGrammarlyよりも優秀に文章校正をおこなってくれます。

なんだったら要旨と、文章構成を指定すれば代わりに自然な英文を書いてくれます。

全ての文章を最初からChatGPTに書かせるのはもちろん禁止されていますが、文章の流れ、エッセイ中での主張、引用する参考文献を自分で選んでいれば英文自体を自分で書いていないからといって不正にはならないと私は思います。

(もちろん大学によってChatGPTやその他生成AIの使用について決まりがありますので、そちらに従ってください)

最近はClaude 3というChatGPTより優れた A Iサービスも提供が開始されていますので、こちらも積極的に使っていく事をお勧めします。

まとめ

ここまで書いたように、現代はこれまでに考えられなかったくらい留学生の学習の壁を低くしてくれるAIサービスが誕生してきています。

社会人をやりながらでもオンラインで留学をして学位を取得する事も決して夢物語ではなくなってきています。

英語の要件をすでに満たしているのであれば、日本にいながらにしてオンライン留学をする事もぜひ視野に入れてみてください。

関連記事:関連文献検索に有用なConnected Papersとは?

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