リスニング勉強に使う教材の順番

リスニング

こんにちは、総合医です。

皆さんはリスニングを勉強する時にどの教材をどの順番で使用するか考えていますか?

TOEICのような資格試験受験が目的の人はもちろん試験の過去問題集や公式問題集などを利用してリスニングの勉強を行うと思います。

しかし、英語をきちんと使えるレベルで習得したいと考えた時はどうでしょう?

おそらく多くの人が「Netflixで英語ドラマをひたすら見続ける」や「オンライン英会話でレッスンをたくさん受ける」と考えるのではないでしょうか?

英語に触れ続ける事でリスニング力が上がっていくというのは間違っていません。

しかし、Netflixを見続ける事で実際に英語を満足するレベルまで習得できた人があなたの周りにどのくらいいますか?

おそらくほとんどの人はNetflixだけで英語が完璧に聞き取れるようになっていないと思います。

ほとんどの人にとって、英語が聞き取れない状態で海外ドラマや映画を見続ける事は非常に退屈で、リスニングが完璧になるまで英語のリスニングを続けられる人は非常に稀だと思います。

それなら一体どうしたら良いのでしょうか?

インプット仮説

皆さんはStephen Krasshen (スティーブン・クラッシェン) という言語学者をご存知ですか?

クラッシェン先生は南カリフォルニア大学の名誉教授で、第二言語の習得に関して様々な論文、書籍を出版されている、言語学の大家の先生です。

クラッシェン先生はある仮説を提唱した事で有名になり、その仮説は多くのバイリンガル、トリリンガルの方達から支持されています。

その有名な仮説というのが「インプット仮説」です。

なぜ仮説なのかというと、言語習得には長い時間がかかるので、医学研究のような厳密な実験を行う事が困難なため、エビデンスとは呼べないためです。

しかし、クラッシェン先生は子供の言語習得方法や多くの第二言語習得者の経験を研究し、このインプット仮説に辿り着き、多くの人がこの仮説に則って第二言語の習得に成功しています。

インプット仮説がどのようなものかというと、「第二言語の習得に必要なのは多量のインプットだけであり、文法の勉強やスピーキングの練習では言語の習得はできない」というものです。

ここまで聞くと、「そんなことはない!」、「この仮説は間違っている!」と反論する人も多くいるでしょう。

実際言語学者の中にも反論している人は多くいます。

しかし、文法の勉強をしても英語を話せない、駅前留学やオンライン英会話がこれだけ流行っていても英語をしっかりと習得して、仕事で難なく使いこなしている人がほとんどいないのは我々がよく知るところです。

クラッシェン先生は文法の勉強やスピーキングの練習を『学習』と定義し、『習得』と『学習』を区別しています。

つまり、自然に言語を使えるようになるためには『学習』ではなく、『習得』が必要だと言っているわけです。

そして、この習得には多量のインプットが必要としています。

それではNetflixをただ大量に見続ける事はやはり間違っていないように感じますが、クラッシェン先生はインプット仮説の中でもう一つ重要な要素があると言っています。

それは、インプットの中身を理解できていなければいくらインプットを大量にしても効率的に習得する事は難しいという事です。

実際の彼の書籍の中では、インプットに最適なのは「i + 1」のレベルのインプットだという言葉が登場します。

この「i + 1」の “i” とは今現在の自分の言語力を示していて、i + 1は現在の自身のレベルよりもほんの少し高いレベルのものを示しています。

これをより具体的な言葉に直すと、「90%程度理解できる教材で多量にインプットを行いなさい」と言い換えられます。

まとめると、クラッシェン先生のインプット仮説では、自分が90%程度理解できる音源を聴き続けることが最も効果的なリスニングの方法だと提唱されています。

おすすめのリスニング教材の順番

インプット仮説に則った、90%理解できる音源を探すとなると、我々が想像するよりもずっとレベルの低い所から始めていく必要があります。

以下に私のオススメのリスニング教材をその順番と一緒にご紹介します。

1. 子供用番組

まず英語リスニング勉強初期にお勧めするのは英語の子供番組です。

子供番組といえど、ネイティブの英語を聞くので、100%完璧にリスニングするのはとても難しいです。

私はリスニング勉強初期の頃はYoutubeに落ちていた機関車トーマスを見て勉強していました。

機関車トーマスは英語では「Thomas and Friends」というタイトルです。

トーマス以外にも、現在オーストラリアで大人気になっているBLUEYというアニメーションがABC kidsというチャンネルで無料で視聴する事が可能です。

Netflixのkids番組を検索すると、色々なコンテンツを見ることができるので、そちらもお勧めです。

Thomas and Friends: https://www.youtube.com/@thomasandfriends

ABC Kids: https://www.youtube.com/@abckids/featured

2. ディズニー映画

次にお勧めなのが、ディズニー映画を英語で見る事です。

ディズニー映画はDisney+ に登録することで見れるようになります。

ディズニー映画でリスニング練習する際には、始めは過去に一度見た事のあるものを見る事をお勧めします。

いくらディズニー映画と言っても、ストーリーを知らないものを90%リスニングするのは至難の技です。

そのため、ストーリーをすでに知っているものか、もしくは一度日本語で視聴してストーリーを把握してから再度英語で視聴するのをお勧めします。

私はこのために一時期NetflixからDisney+にサブスクを変更して、白雪姫、美女と野獣、アラジン、ズートピアなどのコンテンツを片っ端から見ていました。

ディズニーはスターウォーズも放映しているため、スターウォーズが好きな方であればそちらでもいいでしょう。

ディズニー映画ではない映画になってしまいますが、昨年マリオの映画を作成した事でも有名なイルミネーションという会社の映画は内容も面白く、英語のリスニングを行うにもお勧めです。

具体的な映画はザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー、シング、シング2、ペット、ミニオンズなどが挙げられます。

個人的にはディズニー映画よりもイルミネーションの作る映画の方が好きなので、Youtubeで購入して見ていました。

イルミネーションの映画は国によってはNetflixで見れるようになっているので、VPNを契約している人は国の設定をオーストラリアに帰るとNetflixで視聴する事が可能です。

Disney+ : https://disneyplus.disney.co.jp/

スーパーマリオ: https://youtu.be/xdEqPsXqTnI?si=LewttKxN9457gwWY

シング:https://youtu.be/Yr4i_NbmFXU?si=lrD7z90b_sPmNOnx

シング2:https://youtu.be/bSqY24QTGSg?si=KVlV7p4VOi0nDqfm

3. 見たことのある日本アニメ

次にお勧めなのが日本のアニメを英語の吹き替えで見る事です。

アニメは英語を吹き替えている分実写ドラマなどに比べて英語が少しゆっくり話される傾向にあるので、比較的リスニングがしやすい教材となっています。

日本のアニメを見る時も、内容をすでに知っているものを中心に見ることをお勧めします

いくらアニメの吹き替えでも、内容を知らないものをはじめから英語で理解するのはかなり難しいです。

私はNetflixで視聴できる「ワンピース」、「呪術廻戦」、「ビースターズ」、「デスノート」、「亜人」など懐かしいアニメから最近のものまで、漫画で読んだことのあるものを選んで視聴していました。

4. 日本のドラマ・映画の英語吹き替え

次にお勧めなのが、日本の実写映画、ドラマの英語吹き替えを見ることです。

Netflixで見る場合吹き替え音声を英語にセットすることで英語で日本のドラマを楽しむことが可能です。

私は日本にいる時からほとんど日本の映画やドラマを見ていなかったので、この方法は使いませんでしたが、日本のドラマが好きで見ていた方は昔見た事のあるドラマを今度は英語で再度見てみてはどうでしょうか?

ストーリーをある程度知っているだけで飽きずに英語のリスニングの練習を続ける事が可能です。

ちなみにジブリ映画はオーストラリアのNetflixで視聴可能なので、VPNを契約している人は国の設定を変えながら日本の映画を英語吹き替えで視聴する事が可能です。

5. 簡単な英語で話されているコンテンツ

次にお勧めのものが、比較的簡単な英語で話されているコンテンツをYoutubeなどから探して視聴する事です。

私はオーストラリアに住んでいるので、オーストラリアで人気のBorder securityという番組をYoutubeでよく視聴しています。

この番組は北米版やイギリス版もあるので、自分が必要なアクセントに合わせて勉強する事が可能です。

番組内のナレーションは非常にゆっくり喋ってくれるのと、出演している税関職員の英語も比較的聞き取りやすいものが多いのでお勧めです。

それ以外にも簡単な英語で話されているYoutubeチャンネルをいくつかご紹介します。

Jaden Animation、TheOdd1sOutというアメリカ人が自作アニメで日常生活について話しているチャンネルなどが比較的聞き取りやすく、リスニング教材として利用しやすいものとなっています。

Border Security: https://www.youtube.com/@BorderSecurityOfficial

JadenAnimations: https://www.youtube.com/@jaidenanimations

TheOdd1sOut: https://www.youtube.com/@theodd1sout

6. 以前に見た事のある映画・ドラマ

最後は以前に見た事のある英語の映画・ドラマを見る事です。

内容や背景知識を多少知っているだけでリスニングのしやすさは大きく変わりますので、まずは見た事のある映画やドラマを見ることをお勧めします。

私の場合、Netflixで有名な「Braking Bad」、「Suits」、「Big Bang Theory」などを何度も繰り返し視聴しています。

いかがだったでしょうか?

今回は英語習得で最も効率的な方法としてインプット仮説を紹介し、それにそう英語学習教材をご紹介してきました。

もしまだ英語学習を始めたばかりで、今回紹介したどのコンテンツも自分にはまだ早すぎると感じるようであれば、日本人が日本語で英語学習をサポートしてくれるYoutubeチャンネルを紹介している記事もあるので、まずはそちらから確認して見てください。

皆さんのリスニング力向上に少しでもお役に立てたら幸いです。

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