こんにちは総合医です。
今回は、社会人で留学を考え始めた時にまずやる事についてお話ししてみたいと思います。
ちなみにこのブログは、海外の大学・大学院で学位を取得する事を目標にしている社会人の方向けに書いているので、短期の語学留学やワーキングホリデーを目指している方は対象としていないので、その点だけご承知おきください。
動機はなんでも大丈夫
最近はMBA(経営学修士)の人気が高まってきているので、社会人で留学を考える方はMBAの学位取得に興味を持っている方が多いのではないでしょうか。
もしくは、社会人として働き始めて、自分に足りていない知識がわかったり、より深く勉強したいと思うようになったために、大学院の入学を考えるようになるというのが、大学・大学院入学を考え始めるタイミングかと思います。
他には、30歳を過ぎて、自分の人生がこのままで良いのかと考える時間が生まれ、何か新しい分野に飛び込んでみたい、又は夢だった海外留学に挑戦してみたいという願望が起こって社会人大学院留学を考え始めるという理由もあるかと思います。
私の場合は、両方の理由が重なって海外大学院留学を考えるようになりました。
仕事が内科医という少し特殊な仕事なので、MBAほど一般的ではありませんが、医学論文を読んだり書いたりする際に必要な知識を体系的に学びたいという思いが出てきた事と、30歳を過ぎて今後の人生を考えるようになり、海外留学を考えるようになりました。
本音を言えば、元々海外旅行が好きだったので、1、2年程度海外に住んでみたいという願望があり、職場での立場が上がっていくとその機会を逃してしまうと考えたのも大きかったです。
つまり、留学を決意したのはあまり大した理由ではないという事です。
海外留学を実現させた人達は、何か大層な理由を持っているのだろうと考えがちですが、海外留学をした人達に話を聞いてみても、初めの動機は簡単なものばかりです。
「海外に憧れがあった」や「海外旅行が好きで、海外に住んでみたくなった」など、最初の動機は簡単なものの事が多いのです。
多くの社会人は、今の自分のキャリアが止まってしまう事を心配したり、金銭的不安を理由にしたりして一歩を踏み出せない事が多いですが、一度踏み出してしまえばそれほど怖いものではありません。
留学には興味があるけれど、このままでは留学する機会を一生失ってしまうという危機感を持っているのであれば、思い切って留学してみる事を強くお勧めします。
現在のキャリアが止まってしまうという心配はあるかも知れませんが、基本的に海外で新たに学位を取得して道が閉ざされるという可能性の方が低いと私は考えています。
現在の会社以外で働くつもりが毛頭ない人は別ですが、資格が増える事で仕事内容が変化したり、良い転職先が見つかったりする可能性の方が高いと私は考えます。
なにより、海外留学をする事で、海外での就職や、外資系企業で働ける可能性が新たに生まれるので、今後経済状況が悪化し続ける事が予想される日本で働き続けるよりはよっぽど可能性を秘めた未来になると私は思います。
英語の勉強
基本的には英語圏の留学を目指される方が多いと思いますので、まずは英語の勉強を始める事が必要です。
仮に学費の安いヨーロッパの大学・大学院に行くにしても、授業は英語で行われる事が多いので、選択肢を増やす意味でも英語の学習をしておくに越した事はないと思います。
海外の大学・大学院入学には英語技能試験を受ける必要があり、その点数によって行ける大学が変わってきます。
多くの留学生はTOEFL(トーフル)か、IELTS(アイエルツ)という試験を受験します。
他にも多くの英語技能試験が存在しますが、上記の二つの試験を受験する人が多く、対策本なども多く出版されているので、よほど大きな理由がない限りはこの2つのうちのどちらかを選ぶのが無難でしょう。
それではどちらの試験を受験すべきかというと、それはどちらでも構いません。
以前は、北米の大学(アメリカ、カナダ)はTOEFL、イギリス連邦(イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなど)の大学はIELTSをお奨めされていたようですが、現在は世界中どの大学でも両方の試験を認めている事がほとんどです。
受験費用もほぼ同じくらいの値段で、現在はどちらの試験もパソコンで受験できます。
大きな違いといえば、問題の出題形式とアクセントの違いでしょう。
TOEFLは4技能を織り交ぜたような試験問題で、完璧に英語が聞き取れなくても、大まかに内容が理解できていれば点数が取りやすい形式となっています。
一方IELTSは4技能がきっちりと分かれており、リスニングテストでも答案にスペリングさせるので、きっちりと英語が聞き取れていないと点数がもらえない形式となっています。
そして、TOEFLのスピーキングテストはマイクに向かって話す録音式ですが、IELTSは1対1の対面でスピーキングテストが行なわれるという違いもあります。
対面だと緊張してしまうという人はTOEFLの方がいいかも知れませんが、IELTSのスピーキングテストは時間制限が厳密ではないという利点もありますので、時間制限内にマイクに向かって話す事に不安を感じてる人はIELTSの方がお勧めです。
そして、アクセントに関していうと、TOEFLは北米アクセントの英語がほとんどですが、IELTSはアメリカ、イギリス、オーストラリアと色々な国のアクセントが混ざっている事が多いです。
北米以外の大学を全く受験しないのであればTOEFL受験だけで良いかも知れません。
より詳細な情報はこちらの記事にまとめてあるので、こちらも参照してみてください:IELTSとTOEFLの比較(https://sogoitameninaru.com/ieltsとtoeflの比較/)
志望大学の決定
英語の勉強と並行して行ってもらいたい事として、志望する大学の選定です。
大学によって必要とする英語技能試験の点数が変わってくるので、自分の目標点数が何点なのかは確認しておいた方が良いでしょう。
ちなみに、多くの大学ではIELTSで6.5点、TOEFLでは86点が一つの基準となっており、有名大学・人気の学部ではIELTSで7.0点、TOEFLで96点を基準として設けている所があります。
英語技能試験以外の点で言うと、大学時代の成績提出を求められる事が多いです。
ちなみに、留学セミナーや、留学支援コンサルタントに相談すると、大学時代の成績をGPAという評価に変換し、それに基づいて志望先の大学を決めましょうと言われる事が多いです。
GPAとは、英語圏の高校や大学で使用されている評価方法で、日本の小学校、中学校の5段階評価のようなもので、英語圏では4段階で評価づけを行います。
GPAの計算方法はいくつか存在しているようですが、100点満点のテストでいうと、0〜59点を0、60〜69点を1、70〜79点を2、80〜89点を3、90点以上を4に振り分け、大学時代の各科目の成績を変換し、その平均を取ったものがGPAの値ということになります。
大学によっては、優・良・可・不可の評価となっていて、そのままGPAの数字に置き換える事も可能な事があります。
留学エージェントなどに相談すると、基本的にGPA3.3以上ないと有名大学・大学院への留学は厳しいので、諦めた方が良いと勧められます。
つまり大学時代の成績が悪い人は有名大学院への留学は諦めてくださいという事です。
しかし、GPAの算出方法は国によってまちまちだったり、通っていた大学や学部のレベルによって好成績をとる難易度は変わってきます。
東大で好成績を取るよりも、あまり有名でない私立大学で好成績を取る方がよほど簡単でしょう。
そして、海外大学・大学院の審査員は日本の大学のレベルなど知りようがないので、GPAが低くても留学を諦める必要は全くありません。
現に私も、GPAが2.8程度で、優秀な成績とは言えないレベルで、留学エージェントからシドニー大学は絶対に無理だと言われていましたが、出願してみたら1週間後には合格の連絡が来ました。
受験する学部にもよるのかも知れませんが、海外大学・大学院では留学生をGPAだけで判断するという事はされていないので、遠慮なく色々な大学に出願してみる事をお勧めします。
英語技能試験、大学時代の成績表以外にも、海外大学・大学院受験には推薦状、自己推薦文(Self Statement)を求められる事が多いです。
推薦状は大学時代の先生に書いてもらうのが理想ではありますが、私のように大学卒業から年数が経ってしまい、お願いできる先生がいない場合には、職場の上司に書いてもらう事でも問題ありません。
私は大学時代にお世話になった先生になんとか連絡が取れたので、その先生に1通推薦状の作成を依頼しましたが、もう1通は職場の上司に推薦状を書いてもらい、留学エージェントに依頼して英訳してもらいました。
自己推薦文はネット上に落ちていたサンプルを参考にして自分で書き、留学エージェントに添削を依頼して完成させました。
この辺りは留学エージェントなどのサポートを受けるのが安全かも知れません。
英文校正会社や、知り合いのネイティブスピーカーなどいればお願いしてもいいかも知れませんが、大学・大学院出願用の自己推薦文に適した内容を、その人達がしっかりと理解しているかはしっかりと確認した方が良いでしょう。
ちなみに、私が利用した留学エージェントはbeoという東京と大阪にオフィスのある会社でした。
東京のオフィスは新宿駅のそばにあり、東京に住んでいればアクセスは良好でした。
オフィスの中には教室もあり、ネイティブの先生がIELTS受験のための授業を行ってくれました。
お金の用意
最後にやはり一番の心配事はお金の心配でしょう。
海外の大学・大学院は日本の大学よりも授業料が高い場合が多く、特にアメリカの有名大学は授業料だけで1000万円かかるケースも珍しくありません。
そして、他の英語圏の大学・大学院もアメリカよりは安い場合が多いのですが、それでも日本の私立大学レベルか、それ以上の金額になることが多いです。
それに比べ、ヨーロッパの大学はかなり安い学費で済む事が多いようです。
国によってももちろん違ってきますが、フランスやドイツでは年間50万円程度と言われていて、ノルウェーでは授業料が無料の大学もあります。
もちろんアメリカの有名大学に行きたいという希望は皆さん持っているでしょうが、海外の大学・大学院に留学するだけでも得るものはかなり大きいので、お金の用意ができない場合はヨーロッパの大学を選択肢に入れるのはアリだと思います。
ヨーロッパの大学に行ったとしても授業は英語でされることがほとんどだと思いますので、その点は問題ないでしょう。
金銭的な負担を減らすもう一つの方法として、奨学金があります。
留学を考える人にとってこちらの選択肢の方が一般的かも知れません。
日本国内だけでもいくつもの財団が奨学金を出しているので、申し込める奨学金は全て申し込んで、なるべく多くの奨学金を得るのが、留学を成功させる秘策でしょう。
ちなみに日本の大学生が受けている奨学金は一般的にはローンと呼ばれるもので、後々返済義務がありますが、海外大学・大学院に留学する人はかなり希少なので、返済不要の奨学金がほとんどです。
海外留学とお金の関係についてはこちらの記事でも触れているので参考にしてみてください(参考:海外留学とお金)
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は海外大学・大学院への留学を考え始めた社会人の方のために情報をまとめてみました。
英語の勉強や、推薦状、自己推薦文など用意すべきものが多くありますが、英語技能試験さえ突破できれば留学は世間で言われている程難しいものではありません。
せっかく留学に興味を持ったのであれば、そのまま突き進んで、人生に悔いが残らないように生きる事をお勧めします。
今回の記事が少しでも皆さんのお役に立てる事を望んでいます。
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