公衆衛生学修士を卒業したら臨床研究ができるようになるのか?

公衆衛生学

こんにちは、総合医です。

今回は公衆衛生学修士を卒業すると何ができるようになるのかについてお話ししたいと思います。

私が公衆衛生学修士を目指した理由が、臨床研究の手法を学びたいという事だったので、主に臨床研究手法をどの程度勉強できるのかについてお話ししたいと思います。

公衆衛生学修士では研究手法以外にも、環境公衆衛生学、医療政策、セクシャルヘルス、グローバルヘルスなど多くの分野を勉強できるので、研究手法以外の内容に興味を持っている人は、公衆衛生学修士で何を学べるかについて書いた別の記事を参考にしてみてください (参考:公衆衛生学修士で学べる事)

結論

初めに結論から言うと、公衆衛生学修士を卒業する事で臨床研究ができるようになるのかという疑問に対する私個人の結論は『NO』です。

公衆衛生学修士に入学前にある程度の研究の経験がある方や、事前に研究の計画をしっかりと立てていた方であれば不可能ではないかもしれませんが、私のように研究の経験が皆無で、全体像が掴めていない状態で入学する人にはまず無理だと思います。

公衆衛生学修士でできるようになること

それでは公衆衛生学修士が全く無駄かというとそういう事は全くありません。

公衆衛生学修士で勉強する内容だけでも、臨床研究を実際に行なっている研究者の方達と立派に議論できるようにはなります。ただし実践経験という点で不十分という事です。

何事においても、まずは全体像を薄く総論的に勉強し、その後各論的に細かい所を勉強するという流れが一般的だと思いますが、公衆衛生学修士は総論部分に当たると私は思っています。

臨床研究ができるようになるために、まずどのような研究手法が存在するのかを総論的に学びます。

そして、次に各研究手法に対して細かい方法論を実践を通して勉強していきます。

医師の方が臨床研究と聞くと、集団を2つに分けて統計学的に検定を行うというイメージを持つのではないかと思いますが、研究手法にはそもそも質的研究と量的研究が存在し、統計学的に検定を行う方法は量的研究に含まれています。

そして集団の分け方も2つとは限りませんし、臨床疑問によって集団の分け方も変わってきます。

解析の方法も多くの手法が現在も研究されている最中で、今も新しい疫学研究の手法が開発されていたりします。

公衆衛生学修士でこれらに関する知識を勉強し、修士課程以降でそれらの知識を用いて実際に研究を行うという道筋を辿っていきます。

公衆衛生学修士を医師のキャリアに例えると

これだけ聞いただけではおそらくイメージがつきにくいと思いますので、公衆衛生学の勉強を医師のキャリアに例えて説明してみようと思います。

ただし、これは完全に私の主観に基づくイメージの話なので、正確性は度外視しています。

私個人は、公衆衛生学修士は医学部の学生か、国家試験を通過したばかりの状態と似ていると感じました。

その理由は、教科書的な知識はある程度入っているが、実践経験が全くなく、現場に放り出されたら何をしたら良いのか途方に暮れてしまうような状態だと感じたからです。

もちろん大学によっては、公衆衛生学修士在学中に研究チームに参加するプログラムがある所もあり、私自身もシドニー大学の最後の学期に慢性疾患予防研究のチームに入って修士論文を作成するというプログラムに参加して多少の研究の経験はしました。

しかし、卒業後にその経験を踏まえて自身で研究を計画して実行していけるようになるかと言われれば、絶対に無理です。

ポリクリに参加して実際の医療現場の雰囲気はわかったけれど、いざ働くとなると難しいという点で国家試験卒業直後と同じ状況だと思います。

博士課程で実際に自身の研究を行うようになるのが研修医に相当し、ポスドクとして研究を行なっていく段階が専攻医に相当するといった感じでしょう。

臨床研究ができるようになるまでには

上記のように自分で研究を計画し、実行に移すにはポスドク、少なくとも博士課程までは終了しなければなかなか難しいでしょう。

それなら公衆衛生学修士を卒業するだけでは全くの役立たずかというとそのようなことはありません。

医学生が医師と共通の専門用語を使ってコミュニケーションが取れるように、公衆衛生学修士修了者は研究者と共通言語を持っているので、研究者に協力を仰いで自身の臨床疑問を解決するための研究を実行に移す事ができるようになります。

自分一人では出来ないことでも、専門家とコミュニケーションをとって研究を行えるというのは大きなアドバンテージです。

少なくとも公衆衛生学修士が終わった段階で臨床研究を行う土壌は出来上がっているので、研究に興味を持っている人は公衆衛生学修士だけ卒業するだけでも大きな意味があると思います。

興味のある方はぜひ前向きに考えてみてください。

海外大学院に留学するために有用なサービス

私が無事に留学できて、英語で公衆衛生学修士課程を修了できたのは、留学前から利用しているオンライン英会話サービスのおかげです。

このサービスがなければネイティブとディスカッションをしたり、教授の話している英語を理解できるようにはならなかったでしょう。

皆さんには私が実際に利用していたオンライン英会話サービスをご紹介します。

英会話初心者の方にはレアジョブ

オンライン英会話のサービスを利用し始めた当初に利用していたのがレアジョブでした。

当時はまだまだ自身の英語力に自信がなかったので、初心者にもしっかりと対応したプログラム、教材のあるレアジョブを選びました。

英語レベルが低い人用に日本語で解説がついている教材などが揃っていたり、講師のフィリピン人の中に日本語も喋れる人がいたりと、初心者にとってありがたい構成になっていました。

値段も他のサービスに比べて手頃だった事もあり最初にレアジョブを選んだのは正解だったと今でも思っています。

白人相手で、アクセントで先生を選びたい人はCambly

英語学習中級者以上の方にはCamblyをお勧めします。

Camblyは予約なしでも空いている先生にいきなりレッスンをしてもらえる気軽さや、英語のアクセント毎に先生を選べるという特徴があります。

大学院卒業後の先生を見つける事ができれば、大学院で行われるチュートリアルを真似してディスカッションのレッスンを行ってもらうのもとても役に立ちます。

詳しいオンライン英会話活用方法はこちらの記事も参照してみてください。(私が活用しているオンライン英会話サービス

コメント

タイトルとURLをコピーしました