お勧めの洋書

リーディング

こんにちは、総合医です。

今回はお勧めの洋書の紹介です。

以前にも何冊かご紹介していますが、今回のは少し堅く、難度も高い本の紹介になります。

あまり英語学習初心者向けではありませんが、英語学習をしながら同時に教養も身につけられるものなので、お勧め本として紹介させて頂きます。

今回の本はこちらのマーティン・ルーサー・キングジュニアの自叙伝になります。

日本語翻訳版はこちらです。

もしかしたらキング牧師という名前の方が聞き馴染みがある人が多いかもしれませんね。

キング牧師をよく知らない方でも、「I have a dream」の演説の人といえばピンとくるかもしれません。

なぜこの本を読んだか?

まず、なぜ私がこの本を手に取ったかというと、オーストラリアに留学にきて人種差別の歴史に興味を持つようになったからです。

日本に住んでいるとあまり馴染みがありませんが、オーストラリアでは白人が先住民 (以前はアボリジニーと呼ばれていた) を奴隷として扱って、ひどい差別を行ってきた歴史があります。

人種差別が酷すぎて、現在でも刑務所に入れられている人の大多数が先住民で、先住民の平均寿命がその他の人種よりも10歳程短かったりと、人種差別の影響が色々な形で残っています。

最近になり、先住民に対する差別を是正しようと大学の授業で必ず先住民に対する人種差別に触れるようになっていますが、2023年に行われた国民投票では議会に先住民の代表者を置くという政策は否決されてしまいました。

これらをオーストラリアで見聞きするようになり、徐々に人種差別の歴史と、人種差別と戦った人の話に興味を持つようになりました。

本の感想

本の内容は自叙伝なので、物語というよりはキング牧師自身に起きた出来事を時系列順に説明していく体裁をとっています。

私はこの本を読むまではキング牧師の事をほとんど知らず、彼が最初からものすごいリーダーシップをとって民衆を率いていったのかと思っていましたが、キング牧師は最初はキリスト教を学んで、立派な牧師になることを目指している普通の男性でした。

当時のアメリカ南部では、黒人は席が空いていてもバスの後ろにしか座れず、トイレなども黒人用に設けられた粗末なトイレしか使えなかったりと、人種によって利用できる場所、物が分けられていました。

多くの黒人はそれに対して暴力で争おうとしましたが、それでは白人側によりひどい暴力で鎮圧する理由を与えてしまう事になるので、キング牧師は、白人側が無理やりデモを鎮圧しにくいように非暴力を貫くように他の黒人達に促し始めます。

始めに行ったのが黒人が主に利用していたバスを利用せずに歩いて生活するというデモでした。

「バス内の席を自由に座れるようにしない限りデモを続ける」という事を訴え続け、バス会社に経済的な圧力を与え続け、数ヶ月後にバス会社が折れて自由にバスの座席に座る権利を勝ち取りました。

その後も黒人の人権を獲得するために大掛かりなデモ活動を地域を拡大しつつ行っていくのですが、それを良しとしない白人グループから激しい反発を受ける事になります。

脅迫を受けたり、自宅や支援者の家に爆弾が投げ込まれたり、謂れのない罪で幾度となく投獄されるなどの過酷な日々を送る事になります。

キング牧師の奥さんも、いつキング牧師が命を落とすかもしれないという恐怖と闘いながら、それでもキング牧師の行為には大きな意味があると信じ、支え続ける様がキング牧師の視点から描かれています。

そんな中で、あの「I have a dream」の演説が徐々に有名になっていき、一躍時の人になるというストーリーになっています。

正直歴史の教科書で事実だけを勉強した時とは全く異なる印象を抱き、とても読み応えのある本だと感じました。

やはり歴史事実は自叙伝などから本人、もしくは本人の近くにいた人が書いた本を読むに限るなと思いました。

伝わってくる熱が全く異なります。

歴史に関する本に興味を持っている方や、アメリカに興味を持っている英語学習者の方達にはこの本を特にお勧めします。

単語集

一般的に、ノンフィクションはフィクションの物語よりも難解な単語が使われている事が多いです。

これは日本語の本でも同様で、歴史的事実を正確に伝えようとするとどうしても使われる単語が難しくなってしまうためです。

キング牧師の自叙伝もその例にもれず、普段あまり見かけないような単語も多く見られました。

特に英語学習初心者にはかなり辛いものになると思いますので、中級者以上の方限定でトライしてみると良いかもしれません。

IELTSで7.5ある私でも、本の中で出てきた知らない単語をリストアップしたら1000以上の単語リストが出来上がってしまったので、単語に自信がない人にはかなり辛いかもしれません。

私自身も1冊の本の中に1000以上の知らない単語があるのは流石にかなりストレスだったので、この本を読んでみたいと思った方のために、私が自作した単語リストをこのブログに貼り付けておきます。

あくまで私がわからなかった単語を出てきた順に集めただけのもので、所々間違いもあるかもしれませんので、その点だけ注意してください。

ただし、この単語リストを開きながらこの本を読めば、順番に単語の意味が書いてあるので、かなりの助けになると思います。

もしくはある程度単語を事前に覚えてから本書を読めばストレスの軽減になると思います。

もし興味のある方はぜひ挑戦してみてください。

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