こんにちは、総合医です。
Claude 3という新しいAIサービスをみなさんは知っていますか?
今回はこの新たなサービスについて解説してみようと思います。
Claude 3とは?
Claude 3とはアメリカのAnthropic社が2024年3月に発表した新しいAlサービスです。
AIサービスといえば有名なのが2022年にOpenAI社からリリースされたChatGPTですよね。
そしてGoogleからもGeminiというAIテキストサービスが発表されています。
Claude 3はChatGPT、Geminiに続いて発表された新しいテキスト型のAIサービスになります。
Claude 3のサービスは以下のように3つのモデルに分かれていて、使い手の用途によって適切な値段で使えるようになっています。
ただし、2024年4月1日現在Haikuはまだ利用できない状態で、近々リリース予定のようです。
性能は?
新しいAIサービスと聞くと、これまでのものとどう違うの?という疑問がまず出てくると思います。
これに関しては、性能の違いをAnthropic社が公式で発表しているので、それを参考にしてみましょう。
表では、色々な分野に分けてその性能を比較しています。
多くの人はChatGPTが一番馴染みがあるのではないかと思いますので、ChatGPTと比較してみます。
Claude 3の最高モデルのOptusとGPT-4を比較してみると、全ての分野でGPT-4と同等か、それ以上の性能を見せています。
特に大学卒業レベルの論理的思考(Graduate level reasoning: GPQA)ではGPT-4が35.7%の正確度しかないのに対して、Claude 3は50.4%と15%程の性能の改善が見られています。
そして、多言語数学モデルやコードに対しても、GPT-4よりも優秀な性能を発揮しています。
値段
Claude 3の値段は、他のAIサービスと比較して少々わかりにくくなっています。
Claude 3はChatGPTと異なり、使用量に合わせて課金されるシステムが採用されています。
Hiku | インプット:$0.25/MTok アウトプット:$1.25/MTok |
Sonnet | インプット:$3/MTok アウトプット:$15/MTok |
Optus | インプット:$15/MTok アウトプット:$75/MTok |
Claude 3公式のホームページを確認すると上のように記載されており、かなりわかりにくくなっています。
そもそもトークンって?となるんですが、トークンはテキストを処理する時に使用される単位として使われており、大体アルファベット4文字で1トークンとカウントされます。
日本語の場合はどのようにカウントされるのか、実際にClaude 3に聞いてみた所、日本語の文字形態が特殊なので、日本語は1文字1トークンでカウントされるようです。
それだと日本人ユーザーの方が余計にお金を払わされる事になるじゃないか!と思ってしまいますが、Claude 3曰く、同じ内容の文章を書くと日本語の場合と英語の場合でトークン数はほとんど変わらないようになっているとのことです。
これは、英語の場合単語同士のスペースもトークンとしてカウントされるので、文字の間にスペースを入れない日本語はその分得しているようです。
それでは実際にどの程度のお金がかかるのか少し考えてみましょう。
MTokが百万文字に相当すると言われてもあまりピンとこない方が多いでしょう。
そのため、一つ例をあげてみます。
皆さんハリーポッターの本は見た事がありますか?
ハリーポッターの1巻が261ページあり、1ページ中の文字数が大体500〜800文字程度で書かれているそうです。
仮に1ページ800文字で計算してみると、ハリーポッターの1巻は208, 800文字で約21万文字で書かれている事になります。
月に1冊ハリーポッターと同じ分量の文章を書く人は、Optusを利用すると大体$3.15/月(約480円)という計算になりました。($1=151円で計算)
ヘビーユーザーならもっと書くかもしれませんが、ライトユーザーならハリーポッター1冊分も月に利用しないと思いますので、それほど高い印象は受けませんね。
ただ、アウトプットの方が高いので、油断はできません。
試しにアウトプットもハリーポッター1冊分で計算してみた所、月の使用量は$15.75 (約2400円)となりました。
つまり合わせて2880円。
本を一冊書ける程度の分量を使用しても月3000円未満なら許容範囲ではないでしょうか?
今度はSonnetを使った想定で料金計算をしてみると、インプット$0.63(95円)、アウトプット$3.13(473円)で、合計すると568円/月という結果でした。
利用する分量にもよりますが、ChatGPT-4が月$20(3000円)と考えると、性能が上回っているClaude 3をChatGPT-4より安く使用できるならClaude 3の方が料金的に優れていると考える事ができるかもしれません。
医者や医学研究者は結局どっちを使うべき?
結局医者や医学研究者はどのA Iサービスを利用するべきなのでしょうか?
もちろん利用方法や、利用する分量にもよるので、一概にどのAIサービスが1番良いという事はできませんが、私の場合で少し考えてみようと思います。
まず医師がAIサービスを利用する場合、病気や治療法の検索にはお勧めしません。
AIサービスが発達してきたとはいえ、まだまだ完璧ではないですし、ChatGPTは2022年、Claude 3でも2023年の段階で情報が止まっていて、それよりも新しい情報は入っていません。
文章を書かせてみても、いまだに存在しない参考文献をあげてくる可能性が高いので、医師がAIサービスを使う場面としては、論文の英訳や、自分で書いた英語論文の添削などが最も頻繁に使われる場面でしょう。
この場合には、ChatGPTもClaude 3も適切な文章を書いたり、直したりするのは得意なので、どちらを利用しても問題ないでしょう。
値段から言えば、よっぽどのヘビーユーザーでなければClaude 3がお勧めでしょう。
次に医学研究者、特に私のような臨床研究をメインで行なっている場合について考えてみましょう。
Claude 3は先ほどお伝えした通り、コードの問題に関してはChatGPTよりも明らかに優秀な性能が示されています。
臨床研究を行う医学研究者は統計解析ソフトのRやPythonを利用している場合が多いと思うので、データに関連した事を聞く場合にはClaude 3が断然お勧めです。
他にも、大学卒業レベルの知識についてはClaude 3の方が正答率が良いので、研究に関しての壁打ち相手として利用する場合にも、Claude 3の方がChatGPTよりも役に立ってくれる可能性が高そうです。
まとめ
現段階では、ChatGPTよりも、Claude 3の方が性能、値段の両方でメリットは大きそうです。
ただし、今後使用してみて、不具合を感じる場合もあるかもしれませんので、どちらのAIサービスを利用するかは個人で実際に使用してみて、決めてください。
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