英語の勉強法でよく紹介されているものの一つとして、『多読』というものがあります。
多読とは読んで字の如く、英語をとにかくたくさん読んで英語に慣れましょうという勉強方法です。
もちろん読む文章の種類によって語彙力などの得られる英語力は千差万別ですが、本好きの人にとって多読によって英語力を上げる方法はとても理に適った方法と言えるでしょう。
私自身も本を読むのは好きなので、自分が興味を持った本を難易度に拘らず洋書でトライしてみています。
中には内容が難しすぎて途中で挫折してしまう事もあるのですが、物によっては最後まで楽しみながら読み終わることができたものも多くあります。
今回はそんな私が楽しみながら読破できた洋書をいくつかご紹介します。
本を読んでいた当時の私のTOEICの点数が780点だったので、大体800点前後ある方は私と同じように楽しみながら読み進められると思います。
それでは本の紹介に入ります。
第5位 Who Moved My Cheese?
この本は日本語訳の「チーズはどこへ消えた?」が有名なのでご存じの方も多いかもしれませんね。
著者のスペンサージョンソンは、人間を迷路内にいるネズミに喩えて、好物のチーズを探している最中にそれぞれのネズミがどんな心境になっているのか、そして最終的により多くのチーズ(成果)得るのはどんなネズミなのかを説明しています。
スペンサージョンソン曰く、一度良い餌場を見つけたネズミ達は、その場所に行けば必ずチーズが手に入ると思うようになり、新たな餌場を探すことはやめてしまいます。
そしてある日突然餌場から全てのチーズがなくなってしまった時、多くのネズミは失意の底に沈み、「俺のチーズを盗んだやつは誰だ!」とチーズがなくなってしまった事を人のせいにします。
そして待っていればいつかチーズが戻ってくるのではないかとわずかな希望にすがっていつまでも新しい餌場を探しに行かないで待ち続けてしまうのです。
多くの人間はこの失意の底にいるネズミ達と同様、自分達が持っていた既得権益がなくなると失意の底に沈み、人のせいにして一向に新たな挑戦をしなくなってしまいます。
人間は変化を恐れる生き物なので、すでに今自分達がいる場所にはチーズは残っていないのに、いつか戻ってくる事を期待していつまでもその場を動けなくなって、結局新たに得られるチーズがない状態に止まってしまいます。
実際の本の中では、なぜ人はそのような無気力な状態に陥ってしまうのか?そしてどうすれば新しいチーズを探しに行けるようになるのかを説明しています。
内容が濃い割に、本の分量は少ないので多読に慣れていない人でもこの本を読破する事は難しくないでしょう。
さらに、使われている英語表現も比較的優しいものが多いので、TOEICで800点なくても十分に読み切れる内容だと思います。
興味が湧いた方はぜひ一度手に取ってみてください。
第4位 The Third Door
The Third Doorは日本でも『サードドア:精神的資産のふやし方』という邦題で発売されているベストセラーの本です。
著者のアレックスバナヤンは18歳の大学生の時に、これといった目標もなく、自分もいつか成功して大金持ちになりたいと漠然と考えていた青年でした。
そんな彼がある日、このままでは一生大金持ちになることなんて無理だと一念発起し、大金持ちになるために人生を変えていこうと決意します。
しかし、何から始めて良いかもわからず、どうやったら成功するのかも見当がつかない状態で悩んでいました。
悩みに悩んだ末に、彼はある答えに辿りつきます。
それはすでに成功している人達なら何か成功のコツを知っているに違いない。成功した人達に直接あってそのコツを教えて貰えばいいんだと彼は考えました。
そして彼の成功者達へのインタビューの物語が始まるのです。
多くのアメリカで成功している億万長者達に何度もメールをしてインタビューの約束を取り付け、少しずつインタビューをすることに成功していきます。
そしてある時に彼は気がつくのです。
多くの成功者達に共通しているものがあると。
それがタイトルにもあるサードドア(第三の扉)なのです。
サードドアについて説明すると、それはほとんどの人が気が付いていない第三の抜け穴とでもいうべきものです。
本編の中でアレックスナバヤンはこのように説明しています。
まずファーストドア(第一の扉)は多くの人が列をなして待っている人気レストランの正面入り口の事で、多くの一般の人が思いつく方法です。
セカンドドア(第二の扉)はVIPなどの特別な資格を持った人達だけが通る事を許された、正面扉とは別に設けられた特別な入り口の事をさしています。
そしてサードドア(第三の扉)とは、コックなどが利用するレストランの裏口の事を指しています。
ほとんどの客は裏口からこっそり忍び込もうとなど夢にも思いませんが、多くの成功者達は初めにこのサードドアを利用して、一般客より圧倒的に早く成功にたどり着いているというのです。
サードドアはセカンドドアと異なり、ガードマンなどの見張りがついていないので、コックに変装するか、人目を忍んで入れば簡単に通ることができるのです。
サードドアは時と場合によって異なっており、それぞれの成功者達がそれぞれのサードドアを利用していると筆者は解説しています。
実際著者のアレックスバナヤン自身も、成功者達に直接何百、何千とメールを送って一人目のインタビューを取り付け、さらにそこから別の著名人を紹介してもらうやり方で次々とインタビューを成功させていきます。
そう言った意味では彼もまた知らぬ間にサードドアを通った一人ということになるでしょう。
本編の中には多くの成功者達に直接インタビューした内容や、それぞれの成功者達のサードドアが紹介されています。
成功者達がどのようなきっかけで成功を手繰り寄せ、どのような考え方で成功を維持しているのかが詳細に説明されているので一読の価値があります。
私自身も「なるほど〜」っと唸る場面が何度もありました。
この本は「Who moved My Cheese」よりもやや分量が多く、難しい表現が使われている箇所も多くありますが、物語調で筆者の視点で物語が進んでいくので楽しみながら読み進める事ができます。
何より、本の内容が引き寄せられるものになっているので、成功を目指して頑張っている人達にはぜひ読んでもらいたいオススメの一冊となっています。
第3位 How to American
こちらは香港からアメリカに中学生の時に移住し、その後アメリカでコメディアンとして成功を収めたJimmy O. Yangという人の自伝本です。
残念ながらこちらの本は日本語訳されたものは今の所ありません。
実は私はお笑い芸人さんのエッセイなどを読むのが好きで、日本の芸人さんが書いたエッセイ本を何冊か購入しているのですが、その延長で外国のコメディアンが書いた本があれば読んでみようと考えてこの本を購入しました。
筆者のJimmy O. Yangもアジアからの移民という事で、言語の壁や文化の壁に阻まれて多くの困難を経験した人です。
現在私もオーストラリアの大学院に留学していて言葉の壁にあたり、辛い思いをしているので、この本を読んで勝手に親近感を感じていました。
本の内容としては、彼がアメリカで経験した恥ずかしい失敗談や、家族との関係性の変化、友人との思い出、そしていかにしてコメディアンとしてアメリカで成功を収めたのかというサクセスストーリーがふんだんに盛り込まれています。
筆者がコメディアンなだけあり、英語で書かれていてもついつい笑ってしまう場面もあり、とても楽しく読み進めることができました。
この本を読んで、やはりアジアからの移民は西欧文化に溶け込むにはかなり高いハードルがあり、それを乗り越えていくためにはある程度の時間が必要なんだという事が改めてわかり、挫けずに英語の勉強を続けていこうと決意を新たにすることができました。
私のようにエッセイや自伝本などを読むのが好きな方は、この本はかなりオススメです。
第2位 The 4-Hour Workweek
こちらはティモシーフェリスという方によって書かれた本で、邦題は『週4時間だけ働く』となっています。
この本はニューヨークタイムズのベストセラーリストに4年以上載り続け、40カ国語以上に翻訳されている名著です。
筆者のティモシーフェリスは元々スポーツサプリメントを販売する会社に勤めていた普通のサラリーマンで、1日に14時間以上働く生活を続けていました。
しかし、仕事に時間を取られすぎている人生に違和感を感じ、彼なりの業務効率改善を進めていくようになりました。
効率化をどんどん進めていき、最終的に彼は週に4時間だけ働いて、以前の何倍もの収入を得ることができるようになります。
この本はそんな彼が実際に行っていた業務効率改善の方法を紹介し、どのように彼が短時間労働で収入を最大化させたのかが書かれています。
いくつか紹介されていた方法の一つだけご紹介すると、現在コロナ禍で日本でもやっと導入されてきたリモートワークをコロナが発生する何年も前から導入していた事です。
もちろん会社以外の場所で集中して業務を行う環境づくりをしっかりと準備した上で、彼はほとんどの業務をリモートワークでできるようにして、なるべく会社に通勤しなくて良い状態に持っていきました。
こうすることで通勤の時間、ストレス、体力消費を最大限減らし、効率を最大化させることに成功したのです。
これ以外にもいくつものテクニックが紹介されているので、今社会人で業務の効率化を図りたいと考えている方にはかなりオススメの本となっています。
少しでも興味が湧いた方は一度目を通してみることを強くお勧めします。
第1位 How to Win Friends and influence People
こちらはDale Carnegieによって1936年に出版された古典と呼べる本で、現在も高い評価を受け続けているベストセラーの本の一つです。
邦題は『人を動かす』です。
この本を1位に選んだ理由は、単純にベストセラーになっている人気の本だからというだけでなく、自分にとってかなり役に立つ内容で、自分の生き方を変えてくれたからです。
初めは英語の勉強のために読み始めましたが、内容があまりにすごくて読み終わった後に日本語訳でも読み直したほどです。
そこまで影響を受けるのは私のように人付き合いが苦手で、人間関係で悩んでいる人だけかもしれませんが、それでも多くの人にとってこの本の内容は有益であると断言できます。
内容を少しだけご紹介すると、この本はカーネギーがビジネススクールで教えていた内容を本にしたもので、元々はビジネスを行う上で相手と良好な関係を築くためにどのようなことに気をつければ良いかという事を教えていました。
しかし、教えていた内容がビジネス以外でも十分活用できると判断され、書籍化され、今では全世界で最も売れた本の一つに数えられるほどになっています。
内容の一部として「相手に自分を好きになってもらう方法」というものがあります。
その方法というのが以下になります。
1:純粋に相手に興味を持つ
2:笑顔で相手に接すること
3:相手の名前は、相手にとって最も重要な言葉である事を理解する
4:良い聞き手となり、なるべく相手に話をさせる
5:相手の視点に立って話をする
6:相手に「自分は大切だと思われている」と思わせる
特に6番の相手に「自分は大切だと思われている」と思わせる事は人間関係で特に大事だとカーネギーは説明しています。
どんな人間でも自分にとって自分が一番大切で、特別な存在です。
そのため、他の人からも同じように大切に思って特別扱いを受けたいと思っているのです。
これはなにも全ての人に高級なプレゼントを贈って特別扱いをしろと言っているのでは決してなく、ただ相手の名前をしっかりと覚えて、相手を名前で読んであげるだけでもいいのです。
まだ関係性が薄い段階で自分の名前を相手がしっかりと覚えてくれていただけで、相手に対して好意的な印象を持つことは皆さんも直感的にわかるのではないでしょうか。
このように具体的にどのように振る舞えば良いのかを具体例を交えながら一つずつ本の中で紹介してくれています。
他にも、「どのようにして他人に自分と同じ考え方をさせるのか」や、「どのようにして相手の行動を変えさせるのか」などが本の中で書かれており、どれもとても役に立つものばかりです。
書いてある内容がとてもためになるものばかりなので、内容をしっかりと読もうとして英語を真剣に読み込みかなりの勉強になりました。
やはり内容が面白い本だと、時間を忘れて読めるので、英語の学習にとってもとても良い効果になると思います。
少しでも興味を持った場合はぜひ一度読んでみてください。
あなたの人生もきっといいものになると思いますよ。
以上が私が英語学習でお勧めする洋書ランキング上位5冊になります。
他にもいくつかご紹介したい本がありますが、それはまた別の機会にお届けしたいと思います。
いくつか気になる本はあったでしょうか?
もし少しでも皆さんの英語学習のお役に立てれば幸いです。
コメント