シドニー大学にオンラインながら留学し1年間が経過しました。
海外の大学院で勉強してみて、留学前にしていた予想を裏切るような出来事がいくつもありました。
今日はそんな私が留学して驚いたことを3つご紹介したいと思います。
その1:日本人留学生が全くいない
留学をしてみてまず最初に驚いた事が、日本人留学生が全くいない事です。
私がオーストラリアという留学生の間では比較的人気のない国を選んだ事と、公衆衛生大学院という医療系の学部を選んで留学した事が原因かもしれませんが、それにしても全く日本人を見かけません。
留学前にtwitterなどで英語学習者のツイートを見てみると、海外留学中で現地生活を楽しんでいる人や、過去に海外で何年間か生活した事のある留学経験者などがたくさんいましたが、実際留学してみると全くと言っていいほど日本人に遭遇しません。
そして逆に中国人、韓国人留学生の多さに驚きます。
私が最初に参加した事前講習のようなクラスでは、私一人を除いて残りの20人以上が全員中国人でしたし、実際の授業が始まってみると、zoom上でみるアジア人留学生の多くは中国系の名前か、韓国系の名前ばかりです。
同じ英語圏のインドやシンガポール、その他の東南アジア系の留学生も何人か見かけますが、やはり圧倒的に多いのは中国人です。
日本が経済力で中国に追い抜かれてから何年も経ちますが、こんな所でも中国の勢いを感じるとは思っていませんでした。
一昔前の留学して箔を付けて帰ってくるのがステータスだった時代であれば、留学生の比率は日本と中国で正反対だったかもしれませんが、今や海外留学する学生の数でも大きく中国に引き離されているんだなと感じました。
そしてなにかと日本のライバル関係に置かれる事の多い韓国人でも、日本人よりも留学生を見かけるという事は、韓国人の方が世界に目を向けている学生の数が多いのかもしれません。
海外留学を夢見る人は日本人でもまだまだ多いように感じていたのですが、多くの人は語学学校への留学をするか、何かしらの理由で留学を諦めてしまうのかもしれませんね。
わざわざ海外の大学や大学院に入学できるまで英語を勉強してから学部に入学する人は、日本人の中でかなりマイナーな部類に入るという事がわかりました。
日本人留学生の減少が、日本の国力の低下に繋がらない事を祈るばかりです。
その2:1年間の留学だけでは期待した程英語力が伸びない
これは完全に私の個人的な感想です。
そして、英語力の伸びが期待よりも少なかった原因として、オンラインで留学した事も影響していると思います。
留学前の私は、1年程留学すれば完全に英語を聞き取れるようになり、ネイティブスピーカーが相手でも自然に雑談ができて、現地での生活でも何も困らずに生活できるレベルになるのだろうと勝手に想像していました。
過去に会った事のある留学経験者や帰国子女で、1年間海外に住んでも英語が使えないと言っている人には会った事はありませんでしたし、留学してみて価値観が変わったよと自信にみなぎった顔で言われる事しかなかったので、1年程度で完璧に英語を使いこなせるようになるものだとばかり思っていました。
しかし、実際にはネイティブとは程遠いレベルの英語力で、授業中にネイティブ同士でディスカッションが始まると、何を話しているのかほとんどわからない状態になることが普通にあります。
スピーキングに関して言えば、自分が考えた事、感じた事を相手に伝える事はできるようになりますが、まだまだネイティブレベルには程遠い状態です。
ライティングも、留学前のIELTSを受験していた頃に比べれば、3,000 wordのエッセイを書けるようになっているので、英語で文章を書く事に慣れてきてはいるのですが、やはり文法や言い回しで誤った英語を書いているようで、エッセイの採点では大きく減点されています。
英語以外でもそうですが、勉強やスポーツを始めて自分が少しできるようになると、ものすごく自信がつきますが、さらに勉強を続けていくと自分のレベルを正しく把握できていない事に気がついて自信が急降下していくことがありますよね。
IELTSで留学に十分な点数を取れた時は、自分の英語が認められたような気になり、かなり自信を持っていたのですが、留学して勉強を続けていくうちに、自分がお山の大将になっていた事に気がつかされます。
元々1年半の留学期間でしたが、留学して1年経過し、今は留学期間を延長したいなと切に望んでいます。
その3:海外大学の忙しさ
海外の大学は、入学するのは簡単だが卒業するのが難しいという日本の大学とは正反対の性質があるという話を皆さんも一度は耳にした事があるのではないでしょうか?
私ももちろんこの噂は聞いた事があり、それなりに覚悟していたつもりではありましたが、実際に留学してみると、その忙しさは私の予想を大きく上回るものでした。
日本の大学でも、医学部は入学してからテストと実習が多く、他の学部に比べたらかなり忙しいと一般的には言われています。
私の経験でも、大学の2年生と3年生の頃は留年するのではないかと常に怯えながら必死に勉強していたのを覚えています。
そしてそんな忙しい大学を卒業し、医師国家試験にも合格した実績があるので、留学しても頑張って勉強すれば普通に周りのレベルについていけるだろうと心の片隅で甘くみていました。
しかし、実際の授業が始まってみると、課題図書となっている論文や教科書を毎週何十ページも読まなくてはならずかなり大変な事がわかりました。
さらに小テストも毎週あり、医学部の時よりも勉強が忙しいというのがわかり、このままでは自分は卒業できないとかなり大きな危機感を持ちました。
特に留学生は、ネイティブの学生よりも文章を読むスピードがかなり遅いので、日本語であれば15分程度で読める内容も3〜4時間、下手をすれば半日丸々使ってやっと読み終わるくらい多くの時間が必要になります。
そのため、ネイティブでも忙しく勉強しているのに、文章を読む時間が何倍もかかるのであれば、卒業するのが大変だというのは納得できるというものです。
お笑い芸人のなかやまきんに君も、アメリカの大学に入学した際、教科書を1ページ読むのに何時間もかかり、毎日3時間程度しか寝れなかったとある番組で言っていました。
私は課題の締切り前はもう少し寝ていましたが、課題の締切りが迫っていた時には同じように1日2時間か3時間程度しか寝れていませんでした。
そこまで必死に勉強しても、ネイティブの人達はもっと短い時間で完璧な内容でエッセイを提出していたので、私が成績がネイティブの人達のレベルに達する事はありませんでした。
たまに海外の大学を主席で卒業した方達がテレビで取り上げられていますが、彼らは本当に賢く、要領の良い方達なんだろうなと尊敬せずにはいられません。
もし今後留学を考えている方がいるとしたら、私は事前の英語の学習は十分に行ってから行く事をお勧めします。
少なくとも留学のために最低限必要な点数をIELTSやTOEFLでとっていたとしても、そこからさらに英語力を伸ばしてからの留学をお勧めします。
以上が私が留学をして驚いた事3選です。
海外の大学・大学院に興味がある方達にとって少しでもお役に立てたら幸いです。
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